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買収総額が史上最高に

投資ファンドによる大型買収は、とりわけ2006年に相次いだ。米調査会社トムソンファイナンシャルによると、2005年、投資ファンドによる買収総額は過去最高だった。2980億ドルだった。2006年は7月の時点で、早くも3000億ドルを突破した。つまり、夏の時点で史上最高を更新してしまったのだ。さらに、100億ドルを超す大型ファンドの新規設定が相次いだ。

2006年の投資ファンドによる大型買収案件
年月 出来事
2006年3月 米カーライル・グループ、ブラックストーン・グループなどが約96億ドルでオランダの大手メディアVNUを買収した。
2006年5月 米大手証券ゴールドマン・サックスの投資部門などが、米パイプライン会社キンダー・モーガンに対し約136億ドルで買収提案した。
2006年6月 投資ファンド連合がユニビジョン・コミュニケーションズを約121億ドルで買収すると発表した。
2006年6月 投資ファンド連合が米手工芸品最大手のマイケルズ・ストアーズを約61億ドルで買収すると発表した。
2006年7月 欧州家電最大手フィリップスの半導体部門に、KKRや欧州大手ファンドのペルミラが買い手候補として名乗りを上げた。
2006年7月 KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)などの投資ファンド連合が米大手病院チェーンのKKRを買収合意。

HCA買収

2006年7月、KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)などの投資ファンド連合は米大手病院チェーンのKKRを約330億ドル(負債引き受け含む)で買収することで合意した。

連合のメンバーは、KKRに加えて、ベイン・キャピタル、メリルリンチ・グローバル・プライベート・エクイティなど。買収はHCAの資産を担保にして資金を調達するLBO(レバレッジド・バイアウト)方式で行った。

全発行済み株式を約212億ドルで買収、負債約117億ドル分を金融機関が引き受けた。

株式分の買収額は、LBO方式としては1988年にKKRが発表した米たばこ・食品大手RJRナビスコの買収(251億ドル)に次ぎ米歴代2位だった。負債を含めた総額では過去最大となった。